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Lee-Byung-hun addicted

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第2話

「釜山に行っちゃった」の続き 第2話



風は冷たかったがビョンホンとトラックの荷台から見る景色は最高だった。

普通の町並みも普通の人々もすべてが新鮮で、

揺は好奇心のかたまりになった。

「あれ、何?あれは何してるの?

あれは何屋さん?」

ずっと目をキラキラさせてひっきりなしに質問してくる揺に、

答えながらビョンホンは満足そうに笑った。


そうしているうちにトラックは撮影現場の埠頭に着いた。

いつものことで慣れているかのように、

トラックは炊き出し部隊の横に横付けされ

ビョンホンと揺は荷台から飛び降りた。

「あれ、ビョンホンさん。どうしたんですか?」

と居合わせたスタッフ。

「陣中見舞いで~す。これみんなでどうぞ。」

「いつもありがとうございます。じゃ遠慮なく」

スタッフはそういうと

居合わせたスタッフが荷物を運びおろした。

「ハギュンは?」

「もうすぐお昼の休憩ですよ。

現場あっちだから覗いてきたら」

そう言われてビョンホンと揺は現場を覗きに行った。

邪魔にならないようにそっと遠くから見守る。

現場に緊張感がみなぎる。

「CUT!」

「は~い!では1時間ほど昼食休憩入りま~す」

ハギュンがほっとしてスタッフと談笑しているのが見えた。

二人並んで一生懸命手を振る。

「あ、気がついた。」



「びっくりしたなぁ~。何でこんなところにいるんだよ。」
とハギュン。

「いや、揺が映画の撮影現場が見たいっていうから見学に来たんだよ」

「ほんとかよ。揺ちゃんこいつに乗せられたんじゃないの?

普通さぁ。あんまり韓国に来たことの無い若い日本人観光客が行くところって、ロッテワールドとかブランドショップとかなんじゃないの?」

ハギュンが疑わしそうにそういうと

「ううん。本当に私が見たいってお願いしたの。」

と揺が答えた。

「やっぱふたりはお似合いだわ。」

ハギュンは呆れたようにそういうとにやっと笑った。

ニヤッと笑い返すビョンホン。

「じゃ、せめてこの辺で一番美味しいもんでも一緒に食べに行こうよ。

おごるから。」

そうハギュンが言うと

揺は「私、どうしても食べたいものがあるんだけど・・」

「??」




「食べたいものってこれ?」

満足そうにテーブルに並べた炊き出し料理の数々を眺める揺を、

ビョンホンとハギュンは半ば呆れ顔で見つめていた。

「だって、美味しそうだったんだもん。じゃ、いただきま~す。」

美味しそうにキムチチゲをすする揺を見ながら、

ハギュンはビョンホンに小声で言った。

「お前、彼女のこと可愛くて仕方ないだろ。」

「・・・」にやけるビョンホン。

「何だか、揺ちゃんって感性っていうかノリがお前そっくりなんだよね。

似たもの夫婦っていうからきっとうまくいくよ」

ハギュンがそういうと心なしかビョンホンの表情が曇った。

夢中で食べている揺を残して、

二人は話しながら自分達の食事を取りに並んだ。

「あっ、そうかCAAとの件でむこう一年は結婚できなくなったんだっけか。

彼女気にしてるの?」

「全然。かえってそれが気になって。

無理してるんじゃないかってさ。」

「お前、意外と女心というか人間心理わかってないね。

それとも自分のことになると見えなくなるのか?

さっきも言ったろ。

お前と揺ちゃんは似てるって。

もしお前が揺ちゃんだったらこの現状をどう思う?

不安に思ったり寂しかったりするか?」

「たぶん、しない。」とビョンホン。

「だろ~~。じゃ、彼女もたぶん大丈夫さ。

きっとお前がいい仕事をすることを楽しみに待っててくれるさ。」


「そうだよな。そうだよな。」

急に元気になるビョンホン。

「ホントそういうところ単純だよね。」

笑うハギュン。

「どうしたの?」揺が席から叫んでいる。

「今行くよ。おかわりは?」とビョンホン。

「じゃあ、ご飯一膳お願いします。」

「しかし、彼女よく食べるね~」とハギュン。

「お腹に虫飼ってるんだ。」

「??」

「あ~美味しかった。ご馳走様。お腹いっぱい。」

揺がお腹をさすりながら満足げに言うと

「お腹の虫はおとなしくなった?」

と笑いながらハギュンが言った。

ビョンホンを横目で睨む揺。

ビョンホンは気づかないふりをしてそっぽを向いている。

揺はにっこり笑って「おかげさまで」

というと隣のビョンホンの足を思い切り踏んづけた。

「いてっ!」



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